TPPに日本が参加することで著作権侵害が非親告罪化することによる影響
2016/08/31
TPP参加による中国輸入ビジネスへの影響
TPPの参加交渉が続いているね。
色々と問題が多いTPPだけれども、日本はアメリカとの関係維持のためにこのTPPに最終的には参加せざるを得ないかも知れない。
今回はTPP参加による著作権侵害の非親告罪化が中国輸入ビジネスにどんな影響を及ぼすかについて考えてみようと思う。
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TPP参加に伴う著作権侵害の非親告罪化
TPPの参加交渉の議題の一つに著作権の非親告罪化というやつがある。
まず、そもそも日本における著作権は親告罪というやり方になっていることから触れていこう。
親告罪というのは、著作権を持っている人が訴えないかぎり公訴(検察官が犯罪の被疑者に対して有罪の判決を求める訴え)を行えないという形式の犯罪のこと。
例えば、コミケの二次創作について作者自身が訴えないかぎり裁判でとり合ってもらえないってことだ。
で、この著作権侵害が非親告罪化するという条件がTPP交渉の中で行われている。
実際、アメリカやフランスなどは著作権侵害は非親告罪扱いで運用されている。韓国は日常的に行われている営利を伴う著作権侵害は非親告罪として扱われている。
TPPは非関税障壁の撤廃を求めているから、この辺りのグローバルでの著作権の取り扱い方法の統一というのは必要とされてしまっているわけだね。
二次創作はどうなるのか?
二次創作については、フェアユースという考え方があって、著作物と利益を食い合うなどの状況が発生せずにきちんとした目的なら使っていいという考え方がある。アメリカではそのような考え方にもとづいてコスプレイベントなんかが成立しているというわけだ。
ではコミケなんかはどうなるのか?
コミケでの二次創作については、現在非親告罪運用なので、著作権者が訴えないかぎり公訴にならない。非親告罪化すると、「あなた著作権者に許可もらっているんですか?」ということを警察が介入できたりしてしまうことになる。
そもそも二次創作については、元の作品の人気を強化してくれるという側面があるので、作者側にもメリットが有る「フェアユース」ということになり得る。
二次創作に対する扱いは文化審議会の議論により非親告罪の対象外という方向性になりそうだ。
中国輸入ビジネスへの影響
とは言え、文化庁の認識はこうだ。
「故意による商業的規模の著作物の違法な複製等を非親告罪とする。ただし、市場における原著作物の収益性に大きな影響を与えない場合はこの限りではない」(文化庁資料より)
このことを受けて、コスプレ商品の中で原作があるタイプのやつはAmazonとして対策を練ってくることが想定される。
Amazonがアメリカ発の企業である以上、著作権侵害の非親告罪化は自然に対応してくる可能性が高いはずだ。
基本的に中国輸入ビジネスでは著作権が絡むものは仕入れご法度だが、そのような商品を仕入れていたライバルセラーたちは、より通常商品でのあいのり出品のパイの奪い合いをすることになってくる。
ある程度の新規出品を進めていくというのも対策の一つかもしれないね。